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第25回講演会のご報告
日時:2010年3月25日(木)(午後3時〜4時30分)
場所:三鷹市公会堂
講師:和田行男氏

講師略歴:1955年10月高知県生まれ。
特別養護老人ホームなどを経験したのち97年、東京都で初めてとなる
「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプで
グループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。
東京都地域密着型サービス事業者連絡協議会代表としても活躍。
2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
「認知症になる僕たちへ」と題し、「大逆転の痴呆ケア」で日本中に共感とショックと勇気を与え“婆さんず開放運動”を巻き起こした和田行男氏に認知症について縦横無尽に語って頂きました。
生憎の寒い雨空で出足が鈍りましたが、参加者は講演テーマに深い関心を示していたようで熱心に聴講している様子が伺えました。講師は、演壇から降り、聴取者と同じフロアで認知症の内容と予防策、さらに患者に対する対応の仕方などを豊富な経験を踏まえて参加者に熱く語り続けました。
三鷹市シルバー人材センターとの共催で公会堂に350人ほどの市民が参集しました。
       
熱心に聴講する市民の皆さん 受付の様子
和田行男氏講演概要
◆認知症には誰がなるのか。
誰でもなる可能性がある。
原因はアルツハイマー症が大多数。
この病気は脳を壊していきます。海馬と呼ばれる脳の貯金箱の器質的変化をともなう。
この病気にはいつ誰がなるかわからないので、
回りの人が「つらいだろうなー」と手を差し伸べる。
「私がいるから大丈夫」と。本人が一番つらいのだから。
 ◆認知症の症状は
まず、手順が難しくなる。脳が壊れていくから。
成功体験、今までできていたことが出来ると思ってしまう。
子供と決定的に違う。
ホームなどでは、時にいろんな事件が起こる。
しまっておいたものを忘れて、盗まれてしまった、と思ったり。
 ◆これから認知症になる人に
・ならないようにするのは無理
・予防したくてもできない
・脳と体を使う
・少し不便な生活をする
・単調な運動より、家事をするほうがいい
・献立でも新しいものに挑戦するなど
・わくわくする気持ちも良い。
・姿勢を良く保つよう留意
・歯きれいに保つ
 かむことは脳に良い刺激
 飲み込むためには奥歯が必要だから。
・人とかかわることが大切
 ◆認知症になったらどうしよう。
考えても、「なる人はなる」
だから・・・
三鷹を認知症になっても堂々と生きられる街にする。
声をかけていく。
知識として認知症を知り、おや、おかしいな、と目配りする。
そうすれば、長く自宅で過ごせる。
心構えとして、人に関心をもつこと。
認知症の人がいることは「どうってことない」と。
ここで、
シルバーの果たす役割は大きい
夜回り隊もよし、認知症にやさしい街作り。
認知症をタブー視しない。
家族、夫婦で(自分の)認知症について話し合っておく。
・どこでもいいからホームにいれてほしいのか(迷惑かけるよりは)
・とことん家で過ごしたいので応援してほしい
などなど
 ◆これからのこころ構え
・認知症に向かっていく姿勢
・家族に認知症の人がいたら絶対自分ひとりでみると思わない事。
・身内だけでかかえこまないこと
・おかしなことは、まず記録をとっておく
・何度もおこる状況になったら役所んぼ窓口に相談に行く
・専門職と手をつなぐ
・どこまでも最後まで「日本国民」、「市民」、「人間」として
・尊厳を最後まで守って、ともに生きていく。
                                               
 講演中の和田行男氏         以上
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