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第16回講演会(5周年記念)報告
日時:平成18年11月18日(土) 14.00〜16:10

場所:三鷹市公会堂別館3階

講師:清家篤氏 慶應義塾大学教授
エイジフリーとは年齢にとらわれない生き方である。
日本社会は定年制度があるため、一定年齢になれば、働く意志と能力があっても退職しなければならない。(一部の企業では定年延長制度もある)
65歳で男性の余命18年、女性23年あるがこの期間をどう生きるかについて講演され、三鷹市の元気なシニア88名が熱心に聴講しました
《挨拶》
三鷹市長:清原慶子氏
三鷹市シルバー人材センター常務理事:安生祐子氏
三鷹いきいきプラス事務局長:黒澤繁夫
清原慶子三鷹市長 安生祐子
三鷹市シルバー人材センター常務理事
《講演内容》
エイジフリーな人たちとは皆さんのことです。(笑い)聖路加病院の日野原先生は95歳で活躍されており、また職人でも75歳で頑張っている人もおり、主婦でも75歳で家事や介護をしている人もいる。

世界でも最高の高齢社会であると思う。特に三鷹の男性は日本一長寿であり、女性も二位で健在である。現在65歳以上の人たちは20%、2014年には25%、2031年には33%になる。(高齢者の定義も変える必要あり)

これだけ高齢社会になってきているので、年齢を基準にしない社会作りが必要である。

出生率は戦後の混乱期で4.4人高度成長時代は2.0人で(丙午(1966年)には1.58人で特異値を記録)、1989年には丙午をも下回る1.57人(いわゆる1.57ショック)となり、現在はこれ以下で低迷したまま回復の兆しも見えない。
欧米では婚外出産は比較的容認されており、伝統的慣習の強い日本では婚外出産はモラル的に容認されていないので、これも出生率の低下に一因である。

結婚は通常子どもを作るから経済発展の原動力になる。いわゆる投資財である。
農業社会では特に子どもが成長して戦力になるので必要である。これに対し、豊かな社会(組織で働く)では子どもを必要としない。しかし子どもが育つのが楽しい、好き、子どもが幸せになるのが見たいなどで子ども作るのである。

人口構造は変えられない。そこで我々の意識を変えなければならない。

社会保障制度を変更する。年金制度は賦課方式であるが、支給開始年齢を65歳からに引き上げるなど。(賦課とは受給者の年金は若い世代が納める年金で払う)
世代間の利害対立を問題としない。

雇用では働く意志と能力のある人は生涯働く環境を作る必要がある。(65歳を過ぎても)日本の高齢者は就労意識が高い。定年60歳年金支給開始が65歳のギャップを埋めるために定年を65歳にするべきである。企業側は前向きでない。経営者は70歳で社員は60歳定年はおかしい。これは年功序列型賃金体系が障害になっている。

ビジネスのあり方も、例えば、SOHOで起業するとか、経理で複数の企業と個別契約をするとか、また徳島県上勝町の「いろどり」ではもみじの葉などを、ビジネスにして年商2億4千万円計上するなど、物からサービスへ一律から多様へと変化してきている。

長くなる人生を楽しむには、昔は有閑階級(金持ち、土地、資本で働かなくても収入がある)今は脱工業化で(頭、腕を使い或いは長時間労働で高収入を得る)ビルゲイツなどが好例であろう。この人たちは金があるが暇がない人たちでもある。では金があって暇がある人は誰か、高齢者と若いOLである。

所得のリスク対策は、貯金を持つこと、住宅を所有して貸す、健康に投資をする、孤独にならないために知り合いの補給をする。

ある著名な女性評論家曰く、妻は、以前は「お父さんの定年の時に離婚します」といい、最近は「出世した時に離婚します」に変化したことに注意することです。「亭主元気で留守番がいい」のようである。

地域社会で元気に活動できる意志と能力のある人は、死ぬまで起きている人である。

2007年問題の団塊世代であるが、人材豊富で恵まれた人達(1960年代〜70年代)である。高度成長期に就職して企業等でしっかりと教育を受けてブラックBOX最後の世代である。(ブラックBOXとはパソコン、機械等を使うだけでなく、故障した時は自ら修理できる人達のこと)この世代を先駆者にしていく必要がある。

最後に我々シニアの働き方、生き方が世界の最先端になると言われることだろう。
講演会の様子
講演後も活発な質疑応答があり、時間をオーバーして大変有意義な講演会を終了しました。
《閉会の辞》
三鷹市健康福祉部部長 岩下政樹氏
岩下政樹 三鷹市健康福祉部部長
アンケート
会場で実施したアンケートには88名の参加者のうち42名の方々に回答をいただきました。年代別・性別に下記のようなコメントが寄せられました

50代 女性 これからの老後の生活の考え方の参考になった。具体的でわかりやすかった。
男性 学問的な高齢者問題の整理とそれに基いた対策につき事例を交えて非常にわかりやすくお話いただき、元気が出てきた。
60代 女性 高齢になって自分でできることがあるのではないかと思っていましたが、まだまだお役に立て ることがあると背を押していただいた気持ち。
男性 構造的なおさえで平均年齢、所得のお話が聞けた。自分も十分な有閑を有益な方向で生かしたいと考えるきっかけになった。
70代 女性 ゆったりとしたお話がきくことができた。
男性 高齢化社会の今後についてグローバルな視点で話され示唆多い話であった。わかりやすくお話しくだだいましたので良かったです。

又、今後の興味ある活動は講演会を望む声が多く聞かれました。
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