日本は平均寿命はもちろん、「健康寿命」でも世界一。
(注:健康寿命とは、平均寿命から自立障害期間(要介護期間)を除いた期間、即ち「自分で働いて生活できる期間」
のこと)。 とはいっても、高齢者のうち要介護の人の割合は前期高齢者(65歳〜75歳未満)で高齢者が要介護6%、
後期高齢者(75歳以上)では25%、になっている。(自立障害)に陥る原因は要するに「歩けなくなること」で、
歩けなくなることは老後にとって致命的となる。歩けなくなることの主な理由は
(1)高血圧から来る脳梗塞等での麻痺42%
(2)骨粗鬆症から来る関節や骨の障害27%
(3)糖尿病から来る血管障害(脳卒中)・賢不全・網膜症失明が14%、などで脳変性(ボケ)・衰弱はそう多くない。
これをみると、自立障害を引き起こす要因として、高血圧とか糖尿病と
いった所謂「生活習慣病」とのつながりを抜きには語れない。(注:生活習慣病とは、「肥満・糖尿病・高脂血症・
高血圧など主に生活習慣が原因となって起こる症状・病気」を言う行政用語)。
これらは元はといえば、若い頃からの生活習慣・鍛錬不足に遠因があるとはいえ、今からでも遅くはない。既に生活
習慣病の有る人は徹底的に治療しておくこと、そうでない人も予防に心掛け、老後に自立障害というツケが回って
こないようにしてもらいたい。
生活習慣病を防ぐライフスタイルを持つために、次の七つの生活習慣のうち少なくても五つぐらいは守ってほしい。
(1)睡眠(6時間以上)
(2)タバコ(節煙でなく完全禁煙)
(3)適正体重(肥満を防ぐ)
(4)適度な飲酒(日本酒で1日1合)
(5)定期的な運動(1日最低6000歩)
(6)朝食を抜かない
(7)間食をしない。
食事の心がけとして
(1)あぶら(脂肪)摂取を減らす(出来るだけ「和風」を選ぶ)
(2)塩分を減らす。
以上により、高齢者が「健やかな健康の維持」に努めてもらうほかに、「健やかな心の持ち方」も大切である。
高齢者の生活的特徴には長い人生経験から来る多くの肯定的側面はあるが否定的側面(弱点)がでてくることも確かである。
次のような高齢者共通の欠点をよく認識しておいてコントロールを心がけること。
(1)自己中心的(頑固)
(2)ひがみっぽくなる
(3)保守的
(4)順応力が落ちる
(5)執着(こだわる)
(6)愚痴っぽくなる(不平不満が先にたつ)
(7)いらいら(怒りっぽくなる)など。
高齢者の心の障害因子として
(1)喪失感
(2)孤独感
(3)疎外感
(4)不安感、など。
こういった「老人の心」の癖を認識しておくのも、高齢者が自殺といったような形でつぶれないための秘訣といえる。
むしろ高齢者は、それまでの社会的地位とか「しらがみ」から解き放たれて全く白紙の「平等な新天地」にたっている
のだと自覚すると、楽しくなってくる。そして、今までの生きがいとは全く別の次元の生きがいを育てるようにしてほしい。
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