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第26回講演会のご報告


日時:2010年11月24日(水)(午後1時30分〜4時)

場所:三鷹産業プラザ7階701会議室
今回はミニ講座として「認知症はどんな病気か」を医学的な見地から、みたかヘルスケアクリニック院長 福島偉氏のお話しと、
講演として「健康に過ごすための食養生」認知症にならないようにを、国立北京中医薬大学日本校顧問薬膳専科教授 国際中医薬膳師講師 中村きよみ氏にお話ししていただきました。
関心の高い内容に予想をはるかに上回る114名が参加しました。
       
講演会の様子 講演会の様子
講演会の内容
三鷹市高齢者支援課 桑田修係長に開会のご挨拶を頂き、勝間田事務局長からいきいきプラスの説明があった後講演会に入りました。
 ◆ミニ講座「認知症はどんな病気か」講師:福島 偉氏
認知症について医学的見地からPPTを使って専門的な説明がありました。

認知症とは後天的な脳の器質的障害により、いったん正常に発達した知能が低下した状態をいう。これに対し、先天的に脳の器質的障害があり、運動の障害や知能発達面での障害などが表れる状態は、知的障害という。
認知症の病理学的分類として
・アルツハイマー型認知症(脳の委縮、失禁など)
・レビー小体型認知症(パーキンソン病のような運動障害が表れるなど)
・脳血管型認知症(脳梗塞を繰り返す)
以上のように分類される。
医療機関受診の契機となるのは、周辺症状である。例えば家でお金がなくなった、誰かに持って行かれた等の言動が起きるときである。
更に、幻覚・妄想、徘徊、異常な食行動、睡眠障害、抑うつ、不安・焦燥・暴言・暴力(噛みつく)など。神経細胞の脱落に伴った残存細胞の異常反応であり、一部の患者に見られる。病気の進行とともに増悪するわけではない。
頭(脳)の中の変化病理の原因はよく分からないのが現状である。
認知症の進行を遅らせる薬は「アリセプト」がある。
短時間ではあったが、認知症について「どういう病気か、どのような症状が起きるのか、またどのような種類があるのか」のご説明がありました。
 ◆講演「健康に過ごすための食養生」認知症にならないように 講師:中村きよみ氏
冒頭に認知症を正しく知りそれに対してキチンとした対応をすることが必要である。更に自分の病気を正しく知れば不必要な不安から解放される。私は14歳です。(笑い)「分かりますか」場内に疑問を投げかけ本題に入りました。

【平均寿命と環境】
日本人の平均寿命(2008年)は女性86.05歳(世界一)、男性79.29歳(世界四位)である。平均寿命とはその年に生まれた子供が何年生きるかという予測値のこと。健康寿命は違う,現在平均寿命と健康寿命の差は8年ある。健康の目的は、この差を縮めて最後まで健康であること。具体的には食べられる→出せる(排泄)→眠れる→人とコミュニケーションが出来ることである。
中医学では病気を治すのに一番大切なことは「食事で治す」次に「薬で治す」のである。又身体は夏でも冷やさないこと、温かくすることによって血流も良くなってくる。
【認知症とアルツハイマー】
認知症は大きく分けると、神経が変形して起こる認知症と脳血管が破れたり、詰まったして起こる認知症の二つのパターンがある。アルツハイマーは神経が変形して起こる認知症である。脳血管系の認知症は、動脈硬化の予防でかなり防げる。
【免学調査】
食生活や生活習慣を比較して、どのような生活習慣の人がアルツハイマーになりにくいか見たものがある。
・赤ワインや魚介類、オリーブオイル、野菜、果物、穀類のような地中海地方で典型的に食べている(地中海食)に近い食事と、それから離れた食事の習慣の人を比べると、地中海食の人は、70%程アルツハイマーの罹るリスクが低く、このような食事は予防に良いとの結果がでている。
日本の調査でも、男女共に習慣的に野菜を食べている人は、2割程度脳卒中になりにくい結果が出ている。
【機能性食品物質】
・ウコン:カレー粉に多く含まれている・
・大豆:骨粗鬆症の予防
・お茶:カテキン、老人班を減らす
・トマト:抗ガン作用
・唐辛子:血流良く体力の代謝を高める、肥満防止、身体を温める、免疫力を高める、
・ブロッコリー:体内の色々な部分の正常な機能をサポートする。若さを保つ。
・赤ワイン・落花生の渋皮に含まれるレスペラトロールは、癌や動脈硬化による心疾患、脳卒中を防ぎ、老人班の抑制に働くことが分かった。
・鯖、鰯、鰤などの背の青い魚に多く含まれているDHAも、アルツハイマーに有効だと期待されている。
【運動】
脳の海馬という部分が、記憶を司っているが、そこで神経細胞は新しく生まれる。運動はこの働きによって良い効果があることが分かった。スエーデンのデータによれば運動をする方が2、3年寿命がのびることが分かった。
【動脈硬化の予防】
脳の血管を柔らかくし血流を良くすることが大事である。
タバコ、食塩の摂りすぎに注意し、緑黄野菜や果物を食べること。
血流を良くする食べ物として
黒砂糖、サンザシ、菜の花、韮、パセリ、蕗、三つ葉、蓮根、クランベリー、グレープフルーツ、サフラン、酢、紅花、チンゲン菜、茄子、玉ねぎ、クレソン、菊花,栗、カカオ、カシューナッツ、黒豆、うなぎ、鮟鱇、鰯、蛎、秋刀魚、シジミ、鰊、合鴨肉、烏骨鶏、赤身の牛肉、赤身の豚肉 など
【おわりに】
人は一人一人、体質も生活の仕方も違うので、同じ養生方法でよいとは言い難いが、高齢者は何を食べれば良いかよりも、低栄養、食べないことが問題になる。栄養状態が低い人の方が疾患も死亡率も高い。しっかり食事をすること、肉も魚もしっかり食べる。ごはんよりもおかずを食べる。やや太り気味が良いと言える。健康長寿を全うしましょう!!
 ◆【質疑応答】
4人からの質問に福島先生と中村先生がそれぞれの立場から丁寧に分かり易く応答していただきました。
質問事項のみ記しますと@夜中に2回ほど小便に起きる。A夕食後に甘いものや
辛い物をたべてしまう何とかならないか。B睡眠と健康について。Cサブリメントの必要性について。などの質問とお答えがありました。
          以上
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